法然院(ほうねんいん)は哲学の道から少し東に上ったところにある浄土宗系単立の寺院です。
浄土宗の宗祖は法然上人(ほうねんしょうにん)ですから、浄土宗系ということはよくわかります。
ちなみに、単立というのは、上位の団体に属さない宗教法人のことです。
法然院は、京都にお住いの方、特に所在地である左京区民ならご存知の方は多いでしょう。
でも全国的には、まだ知らないという方もいらっしゃるでしょうね。
知っていたとしても、法然院の見どころってなに?
場所はどこなの?
どうして行けばいいの?
なんてことを思っている人も多いでしょう。
どちらかといえば、哲学の道を歩く中での見どころのひとつとして紹介されて知ったという人も少なくないかもしれません。
哲学の道を歩いていると、疎水に橋がかかっているところの何カ所かに付近の寺院などの道標があります。
そこに「法然院」という文字を何度が見ることがあります。
それでちょっと覘いてみようかと思う人もいるかもしれませんね。
なかには、そのまま素通りされる方もいるでしょう。
もしあなたに、お時間に余裕があるのなら、そして、たまには静寂を感じ心を整えたいとお考えならば
是非、少しだけでも立ち寄っていただきたいですね。
法然院の見どころ
法然院の見どころは、数多くあります。
山門
この山門はテレビや雑誌などで撮影されていることが多いのでご覧になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
新緑や紅葉、雪化粧などその季節によって違った美しさをご覧になれます。
山門の外側からと内側からでも、違った景色になりますよ。
モデルや俳優さんになった気分で記念撮影されるのもいいでしょうね。
それに、観光シーズンや土日祝日は少し人は多いかもしれませんが、平日などは誰もいないときもありますから本当に主人公になったつもりで記念撮影できます。
コロナ前は、けっこう外国人が多くきていました。
これから、入国が緩和されていくとまた増えるかも知れませんね。
白砂壇(びゃくさだん)
山門を入ってすぐ目につくのが白砂壇です。
文字通り白い砂が道の両側に盛られています。盛られた白砂の上には模様が描かれています。
写真では白くないですが、白砂です。日当たりの影響で色がうまく出ていません。
入山した時間帯が悪かったのか、この日は天気が良く両方を撮影した白砂壇も左側円が描かれている方が日陰になってしまいました。
法然院のHPによると、
『水を表わす砂壇の間を通ることは、心身を清めて浄域に入ることを意味している。』
法然院HPより
この模様は、ずっと同じではなく変わります。
以前来たときは、違う模様でしたね。
この時の写真も半分日陰になっています。でも右(東側)だから午前中の撮影ですね。
講堂
建立された江戸時代には大浴場だったそうです。
それが、改装されて現在は、講演会やコンサート、個展などにも使われているようです。
残念なことに、この日は何も開催されていなかったので閉まっていました。
以前来た時は絵の個展をされていました。
けっこういろいろな催しをされていますから法然院を訪れる際は調べてから行かれるのもいいですね。
本堂
本尊は阿弥陀如来坐像です。
本堂への入堂はできません。
ただし、本堂の外からはお参りすることができます。
あいにくこの日は本堂の階段に座ってお話をされている観光客がいらっしゃったので上の方向での撮影になりました。
写りがイマイチでしたね。
春と秋に伽藍内特別公開がありますから、その時に行かれるのもいいですね。
「春季 伽藍内特別公開」
毎年 4月 1日~7日
午前9時半~午後4時
この時期は、ちょうど中庭の三銘椿(さんめいちん)の他、境内の椿が見頃となります。
五色散り椿(ごしょくちりつばき)・貴椿(あてつばき)・花笠椿(はながさつばき)が並んで植えられ、濃淡の違う桃色や紅、白などの花が咲いています。。
「秋季 伽藍内特別公開」
毎年11月18日~24日
午前9時~午後4時
春季・秋季ともに文化財保存協力料として800円
(2022年現在の料金です。変更していることがございます。)
伽藍内以外は通常は無料です。
行事のないかぎり、本堂前までの参道を開放いたしております。
本堂への入堂はご遠慮いただいておりますので縁側からのご参拝となりますが、
本尊阿弥陀如来像にはおまいりいただけます。
方丈庭園や方丈の襖絵、中庭の三銘椿等のご拝観は、
4月1日7日と11月1日7日の伽藍内特別公開の期間のみとなります。ご了承下さい。入山料:無料(伽藍内特別公開の期間中、伽藍内の拝観は有料となります。)
法然院HPより
経蔵
経典の版木が多数所蔵されているようです。
釈迦如来像、両脇に毘沙門天像と韋駄天像が安置されています。
外からは撮影できました。
ちなみに、最後の画像のこちら側にトイレがあります。
高い位置にあるので景色がいいですよ。
でもトイレが横ですからね。
方丈
通常は非公開で入ることができません。
桃山時代の狩野光信筆の襖絵(重要文化財)や堂本印象筆の襖絵が納められている
春と秋に伽藍内特別公開がありますからその時にご覧になれます。
方丈庭園
中央に阿弥陀三尊を象徴する三尊石が配置された浄土庭園である。中興以来、清泉「善気水」(写真左)が絶えることなく湧き出ている。
法然院HPより
こちらも通常は非公開です。
善気水は京都の名水のひとつと言われています。
ここだけに限らずこのあたりの湧き水は美味しいですね。
春と秋に伽藍内特別公開でご覧になれます。
公開期間が短いので、つい行きそびれています。
春の椿は見どころですね。
地蔵菩薩像
本堂正面の石段上にある。この尊像は、1690年(元禄3)、忍澂和尚46歳の時、自身と等身大の地蔵菩薩像を鋳造させ、安置されたものである。
法然院HPより
忍澂(にんちょう)和尚は、知恩院三八世萬無和尚(ばんぶ・まんむ、とも)のお弟子さんです。
法然院の正式名称は「善気山法然院萬無教寺(ばんぶきょうじ)」です。
法然上人ゆかりのこの地に念佛道場を建立することを発願したのが萬無和尚です。
そして弟子の忍澂和尚によって現在の伽藍の基礎ができたということです。
だから、この地蔵菩薩像が忍澂和尚と等身大というのもうなずけます。
鐘楼
12月31日には、参詣者が一つずつ鐘を撞くことができます。
一般参拝者参加自由
参加料 御志納
足元には気を付けたほうがいいと思いますよ。
谷崎潤一郎のお墓
法然院には谷崎潤一郎のお墓があります。
墓地のなかでどの辺りにあるのかは、大きな八重紅枝垂れ桜が目印です。
大きな石塔に向かって右斜め方向の山裾にあります。
お墓は
向かって左側の「寂」の字が書かれているのが谷崎潤一郎・松子夫妻のお墓です。
向かった右側の「空」の字が書かれているのは松子夫人の妹、重子夫妻のお墓です。
両方ともに、谷崎潤一郎自筆の文字です。
法然院の前にある、現在はテラス哲学の道(GREEN TERRACE)となっている旧渡辺清治宅は谷崎潤一郎が京都に来たときはここに滞在していたそうです。3番目の妻の子供だから義理の息子ですね。
哲学の道沿いの方はGREEN TERRACEというカフェにもなっています。
ガラスアートの枯山水
「ガラスアートの枯山水―つながる」という作品をガラス造形作家、西中千人(ゆきと)さんが2019年5月法然院に奉納されました。
知らなかったら、この素材はなんだろうと思います。
実は、材料に使われているのは使用済みのビンを溶かしたリサイクルガラスなんです。
山門に行く前に向かって右側のガラスアートの枯山水もご覧になってくださいね。
法然院へのアクセス
市バスの系統や通行ルートは変更になる場合がございます。
最新の情報は京都市交通局でご確認ください。
法然院までのアクセスはできれば公共交通手段がいいでしょう。
自転車など二輪車は駐輪場はございます。
自家用車で来られる場合は、駐車場はありませんので近くにあるコインパーキングに駐車です。
もしくは銀閣寺近くの市営駐車場がありますが、少し離れています。
電車の場合
阪急京都河原町駅より
市バス32系統銀閣寺前行 乗車時間:約25分
「四条河原町(しじょうかわらまち)」より乗車
市バス32系統「南田町(みなみだちょう)」下車
山に向かって徒歩5分
32系統の場合南田町の一つ前のバス停が法然院町と言いますが南田町の方が近いです。
市バス203系統 熊野・銀閣寺行 乗車時間:約25分
「四条河原町(しじょうかわらまち)」より乗車
「浄土寺(じょうどじ)」下車
JR京都駅より
市バス5系統 岩倉行 乗車時間:約45分
市バス17系統 四条河原町 銀閣寺行き 乗車時間:約40分
「京都駅前(きょうとえきまえ)」
5系統のりばA1より乗車
17系統のりばA 2より乗車
「浄土寺(じょうどじ)」下車
山に向かって徒歩10分
京阪三条駅より
市バス5系統 銀閣寺岩倉行 乗車時間:約16分
「三条京阪前(さんじょうけいはんまえ)」乗車
「浄土寺(じょうどじ)」下車
山に向かって徒歩10分
京阪出町柳駅より
市バス17系統 銀閣寺 錦林車庫行き 乗車時間:約10分
「出町柳駅前(でまちやなぎえきまえ)」乗車
市バス203系統 銀閣寺・錦林車庫行 乗車時間:約10分
「浄土寺(じょうどじ)」下車
山に向かって徒歩10分
京阪河原町丸太町からは
市バス204系統 銀閣寺・高野行 乗車時間:約13分
「河原町丸太町(かわらまちまるたまち)」乗車
「浄土寺(じょうどじ)」下車
山に向かって徒歩10分
京阪の場合は出町柳駅まで行った方がバスは多いです。
バスで移動ならこのサイトが便利
「バス・鉄道の達人 歩くまち京都」というサイトが便利です。
出発地と目的地を記入するだけでバス停の場所や周辺の案内。
何系統のバスに乗れば良いのか、目的地までの乗車時間や時刻表なども調べられます。
地下鉄・バス1日券
京都市営地下鉄・市営バス全線、京都バス(一部路線を除く)、京阪バス(一部路線を除く)、JRバス(一部路線を除く)が1日乗り放題です。京都市内のほぼ全域をこの1枚の乗車券で回れます。地下鉄とバスを上手に組み合わせて移動することで、時間短縮ができ、効率よく移動できます。京都市内の約60箇所の施設で割引等の優待が受けられます。観光にもお出かけにも大変便利でお得な乗車券です。
令和6年6月1日から運行開始しました「観光特急バス」にもご乗車いただけます。清水寺・祇園・銀閣寺への観光にぜひご利用ください。
発売価格
大人1100円 小児550円
有効期間
1日券 ご利用日1日 (24時間券ではありません。)
発売場所や使用法など詳しくは
地下鉄・バス1日券
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